卒業証書授与です。担任の先生に名前を呼ばれて、「はい」の声もりりしく、校長先生の前に立ちます。緊張で手が震える生徒もいましたが、校長先生から声をかけられ、ニコッと返す姿がほほえましく映りました。早くも涙を浮かべる生徒がいれば、立派に巣立つ生徒の姿に涙を浮かべる先生もいました。一人ひとり、胸を張って、育ててくれた保護者に視線を向け、壇上から降りていきました。

　昨日の雨が嘘のような真っ青な空。吹く風に春の温かさを感じる今日、第45回卒業証書授与式を行いました。登校した3年生は、昇降口で下級生からリボンをつけてもらい、教室に入りました。担任の先生と過ごす最後の１日。いつも笑顔があふれる教室も、今日はどこか静かで、机上に置かれた学校新聞を読んでいました。その後、視聴覚室で最後の合唱練習。すでに涙を流す担任の先生の姿もありました。声がかかり、渡り廊下に移動。3年生は、緊張の中にも決意を秘めた表情で、胸をはって、大勢の来賓の皆さんや保護者、在校生の拍手の中入場しました。

　来週の卒業式に向けて、本日全校生徒が体育館に集まり、卒業式予行を行いました。本番さながらの緊張感のもと、卒業証書授与から始まりました。卒業生の立ち振る舞いは立派でしたが、返事はもう少し練習が必要です。
　教頭先生からは、次のようなお話がありました。「百十六名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。先生は、皆さんとともに、白木中学校に赴任しました。あれから３年、今壇上から皆さんの顔を見ると、皆さん一人ひとりについて、思い出がよみがえります。さて、まもなく白木中学校を巣立つ皆さんに、先生から最後のメッセージを送ります。
　全てはより良いことのために起こる

全てはより良いことのために起こる
辛くて苦しい日々、
その日々には必ず意味がある
人の心の痛みがわかるようになる
心の大きい人になる

置かれている環境がどんなに厳しくとも
その環境には、必ず意味がある
人として成長することが出来るようになる
感動を与えられる人になる

人生、意味のないことは起こらない
起きたことに一喜一憂するのではなく
起きた意味を考える
全ては、自分が幸せになるために
起こっているのだから。

　私自身ふり返ってみれば、人生の大半は、乗り越えることが困難に感じる「壁」の連続でした。しかし、豊山町出身のメジャーリーガー「イチロー選手」は言います。
「壁というのは、できる人にしかやってこない。超えられる可能性がある人にしかやってこない。だから、壁がある時はチャンスだと思っている。」
　皆さんは「幸せになるために」生まれてきたのです。皆さんが壁を乗り越えた先には、必ず幸せが待っています。皆さんには、ぜひ困難な壁に背を向けず、挑み続ける人生を歩んでほしいと思います。
　ただ、人は一人では幸せになれません。周囲の支えがあればこそ、幸せになれるのです。ですから、自分の幸せばかり追い求めるのではなく、それ以上に、周りの人を幸せにできる存在になってほしいと思います。相手の心の痛みが分かる、相手の辛い気持ちに寄り添える、相手の喜びを自分の喜びのように感じられる、皆さん一人ひとりがそんな存在になれたなら、皆さんの周りから幸せの輪が広がっていくことでしょう。
　皆さんの幸せな人生を心から願い、先生からのメッセージとします。」
　卒業式当日、胸を張って巣立つ卒業生の姿を期待しています。