最新更新日:2024/05/23 | |
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20220704 朝礼の話 正義と勇気と責任感今日は、昔、校長先生が5年生くらいの頃、尊敬する先生に教えてもらったお話をします。 1年生から3年生には少し難しいかもしれません。5年生の校長先生は「今、ぼくたちにとって、何が最も大切だと思いますか」と聞きました。その先生は、こう教えてくれました「今、最も大切なもの、失ってはならないものは、生命を大切にした正義感だよ。誰が反対しようと正しいと信じたことはどこまでも貫いていけるような人になってほしいな。 イギリスの有名な政治家にグラッドストンという人がいてね。彼は後に4回も首相になった人で、誰からも尊敬を集めた偉大な人なんだ。彼がイートン中学校にいた時、ある他の生徒が一人の教師を憎んで、学校でストライキを起こした。みんなを扇動して騒ぎを起こした。ところが、グラッドストンだけは、そんなことはストライキの理由にならないと言って、たった一人で反対したんだよ。「多数の意見には従うべきだ」と非難が彼に集中し、中には乱暴までする生徒がでた。でも、グラッドストンは最後まで主張を曲げず、ついにストライキを中止させた。 多数決で決まったことは従うのがむしろ当然だけど、しかし、きちんと議論を尽くした後での多数決ではなかった。日本には、その場ですこしぐらい嫌だなとと思っても、何も言わず力の強い人から言われて、黙って従ってしまう「長いものには巻かれろ」という日本独特の考え方がある。これはよくない。校長先生もその時、「そうだな」と思い、そしてそれは悲しいことだとも思いました。 これからの時代を背負っていく君たちは正しいと思ったことはどこまでも貫いていける人であって欲しいです。自分の主義、主張をどうどうと貫徹できる人こそ、人間として最も立派な人だと思うからです。 次に、大切なのは勇気です。勇気と正義感は一体のものです。どれほど正義感が強くても勇気がなければその正義感を実現することはできません。グラッドストンもストライキを中止させることができたのは、彼に勇気があったからです。もし自分一人では心細いと思って、勇敢に反対意見を貫かなかったら、心の中でストライキに反対しても実際に中止させることはできなかったでしょう。 ただし、正義感のない勇気は単なる蛮勇(野蛮な勇気)というにすぎません。ストライキを起こした生徒も勇気があるといえばあるでしょう。しかしそれは間違った勇気であり、本当の勇気ではありません。先頭に立って皆をリードし、勇気があるように見える人がいるでしょうが、それが自分のためであったり、正しくないことのために皆を引っ張っていくのであったりすれば、決して勇気ある人とは言えないのです。 この正義・勇気ということは責任感に通じます。深い責任感であればあるほど正義感が生まれ、勇気がわくといえるでしょう。クラスをよくしていこうという責任感が強い人は、皆で決めたことはきちんと守るものですし、クラスのことを率先してやるはずです。 そして、もしそれを破る人がいれば間違いを注意することでしょう。それは正義の主張ですし、その行動は勇気ある行動でもあります。責任感のない人は、正しくない行動をする人がいても、見て見ないふりをするにちがいありません。 ところで、正義感・勇気・責任感と言ってもいろいろな種類があります。その中でも、校長先生は人間の生命をなによりも大事にし、守りきることこそ、最大の正義・勇気・責任であると思います。 平和も幸福も、自由も、平等も、生命を最も尊厳なものと考え、人間性をすべてに優先して尊重するところに、どんなものにも壊されない固くて強い心の基盤になると思います。 グラッドストンに負けないよう、この人にできて、皆にできないことはありません。生命を大切に思い、人のためにがんばる、師勝西小の子に育ってくださいね。 |
北名古屋市立師勝西小学校
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